羽根屋大津店にて念願の出雲そばに出会う
出雲市内で、先日本物の出雲そばを食べてきた。
今回はその模様をお届けする。
そのお店の名は、羽根屋大津店である。
羽根屋は店名の前に『献上そば』の名を冠している。
これはその昔、大正天皇にこのお店のそばを食していただき、献上そばの名を付けることの許可をいただいたことに由来するらしい(羽根屋HPより)。
まずは大津店の外観からご覧いただこう。
玄関の前は駐車場になっており、自動車が7台駐車可能となっている。
次はメニュー表である。
色んな種類のそばが並んでいるが、やはり出雲そばと言えば割子と呼ばれる独特のシステムであろう。
ざるではない、ずんどう型の器に盛られたそばを一段ずつ取り、そこに薬味やそばつゆをかけて食べる他の地方にはない食べ方である。
お店ではこのシステムに不慣れな人のために説明書がテーブルの上に置かれてあった。
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では、いよいよ実食といこう。
私は今回カツ丼のセットを注文した。
トレーの上には以下の物が置かれてあった。
・カツ丼
・2段割子そば
・薬味(海苔、ねぎ、もみじおろし、大根)
・そばつゆ
・そば湯
・漬物
・しじみの味噌汁
カツ丼は注文を受けてから揚げるため、出来上がるまでにしばし時間を要する。
しかし、それだけに衣はサクッとした食感で、肉も柔らかく食べやすかった。
卵はふんわりとギリギリの火の通り方を狙っている。
カツ丼にかかるたれは甘過ぎず、塩っぱ過ぎず、優しい味である。
出雲そばについてだが、麺はそば殻ごと挽いてあった。
写真でそば殻所以の黒いつぶつぶが麺の表面にあるのを確認できるだろうか。
そばつゆについてだが、これは甘めである。
塩っぱさを控え、甘さを出し、ダシもわりと控えめにしてある。
私は以前、京都市内でそばを食べたことがあるのだがこれとはまるで逆であった。
即ち甘さを控え、ダシを効かしてしょう油の風味も濃厚であった。
また、冷たいそばにもみじおろしから来る唐辛子の辛さは今まで体験していない組み合わせであった。
漬物に関しては説明を割愛させていただく。
最後はしじみの味噌汁である。
これは一口すすってびっくりのうまみであった。
やはりしじみの漁獲量日本一の島根県だからだろうか、しじみ特有のうまみがみそ汁に存分ににじみ出ている。
ダシが出ているからといってしじみの身が美味しくないわけではない。
身は適度な弾力を保ち、噛みしめると口の中にそのうまみが広がる。
この味噌汁だけでもここに食べにくる価値がある。
さて、食後の総括であるが、出雲市内は平日でもそば屋が賑わっている。
いつ行っても食べれると思ってはいけない。
麺がなくなると閉店になるし、それはお店に行かなければわからない。
要は本当に行きたい店があるならば、早めに行かないと食いっぱぐれるということである。
あと、私は羽根屋にしか行ってないので他の出雲そばの味はわからないが予想以上に甘めのそばつゆなので他所の地域のそばつゆを期待して行くと裏切られる。
私的には京都のそばを出雲のそばを足して2で割ったくらいがちょうど良い(笑)。
あと、余談になるが羽根屋大津店に行く前、羽根屋伝承館店に行ったら伝承館の敷地では閉店とは知らされず、本当にお店の玄関まで行って初めて閉店がわかった。
このあたり羽根屋のサービスの行き届いていない点であろうかと思う。
せっかく出雲文化伝承館に着いて、出雲そばを食べてからついでに伝承館を見学しようと思っていたら出雲そばは売り切れであったために、気持ちを盛り上げていたのにやり切れなさが募ってしまった。
もっと早く言えよ、と言いたくなるのだ。
それならそれで、出雲大社を参拝した後に神門通りで出雲そばを食べれば良かったのかというと、私はそれは嫌だった。
何故なら神門通りでそばを食べるということは出雲大社のついでに行く観光客目当てのそば屋だったらどうしようという心理が私の中に働いたのである。
私としては、地元の人が通う美味しい店に行ってみたかったのだ。
だから自動車でないと行きにくい店に行ってみようと思ったのだ。
実際のところ、神門通りのそば屋さんは何軒かあるが美味しい店ばかりなのかもしれないし、観光客目当ての店なのかもしれない。
行ったことのない私にはわからないのである。
もし今度出雲市に行くことがあったら神門通りでそばを食べてみたいと思った。
今回もいい経験ができた。
今回はこれにて〆。
今回のお店はこちら→献上そば羽根屋大津店 島根県出雲市大津町699
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